黒部ダムから流れる黒部川に沿ってある黒部渓谷の「下ノ廊下(しものろうか)」に、初めて行ってきました!
帰りに富山の方からぐるっと電車を乗り継いで来るのが面倒すぎたので、オーソドックスな黒部ダム→阿曽原温泉→欅平ってルートではなく、黒部ダム→阿曽原温泉→黒部ダムとピストンで下ノ廊下を歩いてきました。
下ノ廊下は事故も多いと聞くので、無理は決してせず安全第一でお願いします!
特に今回のピストンするルートは、欅平(けやきだいら)に抜けるより大変です。
なので無理せず安全第一!誰でも簡単に行けるルートではありません!
大切なことなので2回書きました。よろしくお願いします。
上記はざっくりとしたルートです。詳細な地図は下記の地図のご購入をお願いいたします。
地図:山と高原地図 鹿島槍・五竜岳(
登山地図 | マップル)
台風の影響で中央道は八王子-大月が通行止めでしたが、東名で御殿場まで行って、そこから富士山の横を北上して中央道に乗るルートで、ぐるっと回って扇沢までやってきました!
阿曽原温泉のサイトにはキャンセルも出てるって書いてあったし、かなり遠回りだったけど頑張ってたどり着きました。
駅から一番遠いところに市営の無料駐車場があるので、そこに車を停めさせてもらいました。
扇沢駅の駐車場の場所をgoogle MAPで確認する
この日の始発は7:30でしたが、我々が到着したのは8時過ぎでした。
今回もY氏と2人です。
時刻表はここでチェック!
扇沢駅から電気バスに乗って黒部ダムまで行きます。バス代は往復で2160円なり。
バスを降りたら、観光客や室堂に行く人達と一緒にダムの中には行かず、日電歩道の方に直進します。
奥に登山者用の出口があります。
登山期間はこの時期だけの3ヶ月間くらいとすごく短いので、阿曽原温泉のHPなどで確認してください。
ここにお手洗いがあるので、トイレを済ましてから出発です。
この先はもう阿曽原温泉に着くまでトイレはありません!
準備を済ませたらダム施設を出ていざ出陣!
立山はちょうど紅葉が最高でした!来年はこの時期に立山に行きたい!
えっさえっさ黒部ダムの下まで降りてきました。観光放水はまさに昨日までだったみたい(笑)
先日の雲ノ平の後に、雲ノ平の旧ご主人が書いた「黒部の山賊」がめっちゃ面白かったので、一緒に行ったY氏にその話を永遠としながら進みました(笑)。(下ノ廊下の記述も少しあるし)
雲ノ平や戦後の登山の様子がわかってめっちゃ興味深いので必読です!読むと雲ノ平や北アルプスがもっと好きになること間違いなしです。
ちょい進むと滝が出現。私は下ノ廊下は初、Y氏は10年ぶり2回目でした。
ズンズン行くと、下ノ廊下っぽくなってきました!
この辺りで2人ともヘルメットを装着。
段々になった滝。キャニオニングしたら楽し…くはないか(笑)。滝は大小合わせて20個以上ありました。
を撮ってる反対側のわたくし。
ね、こっちにも滝。
横を流れる黒部川が本当に綺麗!
岩肌の道がずっと奥まで続いています。
この日は本当に良いお天気でした。
始発から1時間遅れのバスに乗ったからか、台風の影響か、登山者は数名だけでした。
道幅は結構狭めなので慎重に。
水の綺麗さがすごい!
崖側に太い針金が張ってくれてあるので、それで安全確保しながら進みます。
こんな崖のところも歩きます。
こんなところやあんなところがコースタイムで7時間半くらい続きますので、初心者の方や体力がない方には不向きなルートです。途中でエスケープルートもなく、行くか戻るかしかありません。
ハーネスをつけて、カラビナを針金に掛けながら歩いてる人も多数いました。
「途中で一箇所、滝でずぶ濡れのところがあった!」
と、Y氏が言っていた所。Y氏が折り畳み傘を持ってきてくれたのでことなきをえました。
ここを傘もレインもなしでそのまま突破すると、ずぶ濡れになって体を冷やすこと間違いなしです!
サンダーバードの秘密基地みたいなのが見えてきました。
吊り橋を渡って、
坑道を抜けると、
仙人谷ダムにつきます。青さがすごい!
レポートが長くなっちゃうのでここまで写真数枚ですが、ここまで6時間くらい歩いてきているので、結構疲れました。
なんと仙人谷ダムの施設の中を通るルート!
ダムを抜けたら、まさかの鬼の登り!
からの鬼の下りで、やっと阿曽原温泉小屋についたーーー!
ついたのは16時。黒部ダムから7時間以上かかりました。疲れたーーーー。後々調べたら片道17kmくらいあるらしい。。。
ガラガラかと思っていたけど、結局20人くらいは抜いてたどり着きました。
建物は期間限定&解体なのか、簡易なつくりでした。
やっとついたぁ。って思ったら、すでに靴がすごいある!
この日は予想の反し、ガラガラどころが大盛況で、50人定員のところ、75名くらい泊まっていたらしい。。。下ノ廊下の人気恐るべし!
素泊まりで7000円でした。
部屋は12人部屋に18人でした! 布団2枚に3人!平日登山隊なのに、久しぶりの混んだ山小屋でした。
まずはビール(800円)を飲みつつ、ビストロ開始!
この日はアボカドとスパムの卵とじです。
談話室兼自炊場兼食堂は大賑わい。自炊してるのは我々だけでした。
完成品はこちら!アボカドとスパムがめっちゃ合う!
ここにY氏が持ってきた野菜をぶっ込んだらさらにおいしくなりました!ビールが進む進む。
ここは温泉があるんですが、小屋からめっちゃ遠い&入ったのが真っ暗の夜だったので、写真はないです(笑)
スーパーワイルドな露天風呂でした。興味のある方は「阿曽原温泉 露天風呂」とでも検索してみてください。
小屋から遠すぎ&真っ暗闇で、ヘッデンがなかったら遭難必至です(笑)
お風呂は1時間ごと、男女交代制でした。
ちなみに黒部ダムを過ぎるとずっっと圏外です。もはやスマホはザックの奥底にいました(笑)
2日目
ほとんどの人が欅平の方に降りて行きましたが、我々は黒部ダムまできた道を戻ります。
帰りは登りなので「今日は10時間は歩くよ!」ってことで、気合を入れて6時前には小屋を出ました。
前の人が何かみてると思ったら、下の方に熊が!!!!
恐ろしいですが、めっちゃ可愛い!
登山道に熊が出ることがあるので要注意とのことです。
仙人谷ダムの中に、謎の電車のレールが。。。
この謎のレールのことは「高熱隧道(吉村昭著)」に書いてあるらしいので、これは帰ってすぐポチってもう手元にあるのでこの週末読みます。
めっちゃ興味深い!↓
”人間の侵入を拒み続けた嶮岨な峡谷の、岩盤最高温度165度という高熱地帯に、隧道(トンネル)を掘鑿する難工事であった。犠牲者は300余名を数えた。トンネル貫通への情熱にとり憑かれた男たちの執念と、予測もつかぬ大自然の猛威とが対決する…”
ダム内の通路を抜けて、
また滝に打たれて来た道を戻りました。
S字峡を見下ろす。
こっちが十字に川がクロスしてる十字峡。
ここでかの有名なNHKの撮影があってね、あそこを誰々が川を泳いで…って、挨拶を交わしたお父さんが教えてくれたけど、なんのことかサッパリ分からなかった(笑)
この日もめっちゃ良いお天気でした。
岩についた白熊の足跡。
帰りはもうルートを知っているからか、昨日よりサクサク進めました。
Yカメラマンが撮ってくれた「かっこ良さげなおっちゃん撮れたよ」な一枚。
「かっこいい」じゃなくて、「良さげ」ってところが引っかかるなぁ。
こちらもYカメラマンが撮ってくれたわたくしと下ノ廊下。
わ、良いじゃん!ってインスタ用の写真にも採用しちゃいました。
下ノ廊下から見上げた上の方は紅葉してたけど、見頃は1週間後くらいかな。
10時間は歩く!って思ったいたけど、なんとか8時間弱で黒部ダムまで戻ってこれました。
帰りの電気バスの最終16:35(多分)に乗り遅れたら大変!って思ってたけど、大丈夫でした。
でも最後はやっぱりかなり疲れました!往復30km越え(汗)
時間があったので、黒部ダムでダムカレーとハサイダーでのんびりしてから帰りました。
今回、私は初めての下ノ廊下だったけど、思っていた以上に楽しかった!
スリルもあるし、あんな道を歩けるのはここだけだと思うし、来てよかったわぁ。って思いました。また来年か再来年に、今度は紅葉がもう少し見頃の頃に来ても良いなぁ、って思いました。
次回は車の回送サービス(2万円くらい)を使って、欅平まで抜けるルートで歩いてみたいと思います。
下ノ廊下の人気はすごいみたいで、宿はほぼ満員のようなので、事前に予約をして行ってください。
テン場もあるけど、この日は20張弱くらいありました。週末はギュンギュンになっちゃうと思われます。
今回歩いたルートは、長いし高度感があってスリリングなので、初心者やご高齢の方には不向きだと思います。
日没が早くなってくるので、ロッジくろよんに前泊して時間に余裕を持たせて行く人も多数とのことです。
繰り返しになりますが、自己責任&安全第一でお願いします!
事故が多いルートなので、決して無理/無謀はしないでください!!!!!
暗くなる前に無理なく到着できるように計画を立ててください。
開通時期や道の状況など、詳しいことは山小屋に聞いてみてください!
阿曽原温泉小屋のHPの「登山情報」に、ご主人が色々とルート情報や注意喚起を書いてくれてありますので、行く前に必ず熟読をお願いします!
阿曽原温泉小屋HP←必ず事前に確認お願いします!!!!!!!!
【今回の主な登場装備】
スポルティバ3シーズン靴 / グレゴリーのザック40L / ガス缶用のクッカー / Y氏のパンツ(ノース黒)/ 私のパンツ(ノース紺)/ 黒部の山賊 / 高熱隧道(吉村昭著)
モデル違いや、販売終了の場合あり。
撮影:カメラ Nikon D500 レンズ:16mm-80mm
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