去年の山行で最も疲れた甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根。その標高差は2200mと相当ハードです。
前回は日帰りで急いでの登山になってしまったので、今回はテントを担いでのんびり1泊で行きます。
地図:昭文社「山と高原地図41 北岳・甲斐駒
ハードなのは標高差だけではなく、クサリ場やハシゴの連続する個所も多いです。初心者や体力に自信がない方にはあまり向かないルートです。
山頂直下にもハードなクサイ場やハシゴ、足場が不安定な個所が連続するので、クタクタに疲れていると危険です。
脚力に自信のある方以外は、着実に安全に行けるように一泊での山行を強くオススメ致します。
竹宇駒ケ岳神社の駐車場に車を止めて行きます。駐車料金は無料です。売店のところに登山届のポストがあるので、かならず提出してから入山してください。
神社で安全登山のお願いをしてから、左奥のつり橋を渡って入山します。
刃渡りまではひたすら樹林帯の中の道を行きます。矢印や赤テープが随所にありますので道迷いの可能性を少ないと思います。
山頂まであと7時間。。。ハードです。
今回はテントを背負っているので、のんびりと七丈小屋のテント場を目指します。急ぐ必要は全くないので、のんびりと歩を進めます。
後から来た日帰りの方々3名ほどが、足早に僕を抜いていきました。荷物は重いですが、泊まりだと急がなくていいので、心にゆとりが出来て好きです。
登り始めて3時間ほど、刃渡りあたりで、やっとちょっとだけ展望が開けます。写真は鳳凰山。それまではずっと樹林帯の中です。
9月下旬でしたが、甲斐駒ヶ岳は若干紅葉していましたが、まだ数週間早かった印象です。
刃渡り。ここは危険度は少なく、眺望が開けているので、いい気分転換になります。
刃渡りからさらに1時間半、五合目までくると甲斐駒ヶ岳が目の前に迫ってきます。山頂は左の雲の中。まだまだメチャクチャ遠いです(笑)
五合目を過ぎるとハシゴと階段の連続になります。あのてっぺんまでハシゴと階段です。ハード!
ここまでで1300mほど登ってきているので、そろそろ疲れてきますが、山小屋まではあと1時間ちょっとです。
長い梯子を登っていると、太ももが悲鳴を上げ出します(笑)
駐車場からちょうど5時間で七丈小屋に到着しました。思ったよりも早かったなぁと思っていたのですが、帰ってきて調べたら去年のテントなしの時より15分早かったです!
「おぉ!俺成長したなぁ」って気持より「どうしたんだ!去年の俺!」って気持の方が大きいです。ちなみにコースタイムはここまでで7時間です。
七丈小屋に、このルート唯一の水場&トイレ(ともに100円)があります。
時間が早いのでテントは私のモンベル号だけです。
左上の頂上あたりが八合目御来迎場だと思います。
今日はのんびりして明日御来光を山頂で見るか、夕日を見に山頂まで行くか、で悩みましたが、夕日は山頂からじゃないと見れないし、ご来光はテント場から1時間ほどの八合目御来迎場でもいいか、という結論に達し、ちょっと休憩したら山頂を目指すことにしました。ザックの重さが激減するので、まぁ大丈夫でしょう!
と、思ったら全然大丈夫じゃなくて、足が重くて全然ペースが上がらず(笑)
ヒーヒー言いながら、なんとか八合目御来迎場まできました。山頂ははるか向こう。。。
僕の中で甲斐駒ヶ岳=この刀です。
この刀が見たくてこのルートにしていると言っても過言ではありません。
この刀×絶景を期待して、すでに棒になってしまった足で頑張って登ります!
って、おいーーー(笑)!まさかのガスで眺望0。悲しい気持ちになりました。
去年の時の同じ地点からの景色。
1歩歩いて10秒休憩みたいなペースでなんとか、山頂が見えてきました。もうクタクタです。
山頂直前の分岐。奥には山頂が雲の中ですが北岳が見えます。
やっっっっっっとつきました。テント場を出発して2時間ちょっとかかって、やっと甲斐駒ヶ岳の山頂です。時間が遅いので、誰もいません。貸切です。
疲れ果てながらも三脚を立てて写真を撮る。
っと、登ってきた方をみると特大の雲が空高く伸びています。。。クタクタで全然気付いていなかった。。。ガスもあたりで多く発生しています。
心の声が「早く降りよう」叫ぶので、のんびり休憩したかったけど、写真を数枚撮って逃げるように下山開始。
山頂から10分ぐらいのところにある急登個所。すんごい急だし、岩場で足場が不安定だし、足はクタクタだし、ここは本当に怖かったです。
八合目御来迎場まで戻ってくると、山頂は雲(ガス?)の中。
山頂からコースタイムと同じ1時間半かけて、なんとかテント場まで戻ることができました。本当に疲れました。
翌深夜3時。横のテントの人たちが山頂で日の出を見るために出発する物音で目を覚ましてテントから顔を出すと、星が瞬いていました。
こりゃ良い日の出が見れるぞ!と思い、山頂まで行こうか迷いましたが、足がクタクタなので、長い下山を考慮し、八合目御来迎場で朝日を見ることにしました。
山頂での朝日は来年のお楽しみにします。
4時40分、八合目御来迎場に到着。日の出まであと40分くらいあるのに、空はうっすらと光り出しています。
うっすらとグラデーションする空と、細い下弦の月が本当にきれいでした。
写真だとあまり分かりませんが、濃い青、青、薄い緑、薄いオレンジ、赤というグラデーションです。この薄い緑が本当にきれいでした。
左の山は偽八ヶ岳の茅ヶ岳でしょうか。
5:27 思っていたよりも低いところから太陽が顔を出しました。
アップ。地平線ギリギリの雲の中を太陽が上がってきます。
The 御来光頂きました。
御来光とわたくし。気温は5℃くらいだったと思います。ダウンを着て朝日を待ちました。
甲斐駒ヶ岳が赤く染まっております。
御来光と雲海とわたくし。
朝日に包まれる鳳凰山と富士山。
八ヶ岳は全景入らず。
八合目御来迎場にいた6名ほどの人たちは全員山頂に登って行きましたが、僕はもう登ったので、一人で存分にこの朝日が生み出す最高の瞬間を満喫しました。
のんびりテント場に戻ってきました。
ご飯を食べて、身支度をして、7:40下山開始。
七丈山小屋から駐車場までの標高差は1700m。荷物も重いので、のんびりと無理をせず着実に下りました。
よく晴れた祝日でしたが、すれ違った人は15人ほどでした。
二度目の黒戸尾根でしたが、やっぱり疲れました。
でも個人的には、年に1回くらいはこのくらいハードな山を登っておくといい鍛錬になると思うので、来年も黒戸尾根をチェレンジしたいと思います。
初心者の方が日帰りピストンするには、あまりにも標高差があり過ぎるのでオススメできません。
無理のない山行をお願いいたします。