ほぼ毎年ケンジと来ている「真冬の極寒鳳凰三山」に今年も行って来ました!
前回は御座石温泉→鳳凰小屋→地蔵岳のルートで行ったので、今回は夜叉神峠からのルートで登って来ました。
上記はざっくりとしたルートです。詳細な地図は下記の地図のご購入をお願いいたします。
地図:山と高原地図 北岳・甲斐駒 2017 (登山地図 | マップル)
土曜日の朝まで大雪で通行止め規制になっていた道を爆走して、夜叉神の森まで来ました。
8時前に駐車場に到着!駐車場での気温は-9度でした。
この日は日曜でしたが、車は4台ほど停まっていました。
規制されちゃうくらいだから、きっともっのすごく雪道だろう!と早々にチェーンをして来ましたが、ほぼ雪や凍結はありませんでした。
ちょいちょい雪などで規制がかかっているので、事前に規制情報のご確認をお願いします。
夜叉神の森の駐車場の場所をGoogleMAPで確認する
7:50 登山届けを提出したら入山!
今回はテントと「極寒対策の秘密兵器」を持って来たので、いつものマーカム60+20号が70Lくらいになっています。
重さは測っていませんが「まあまあ重い」って感じでした(笑)
いい天気の中を先は長いのでのんびりと登ります。
トレースがあるかかなり心配していましたが、何人かのトレースがあり大助かりでした。
気温-9度でも、重い荷物&樹林帯の無風で暑いです。帽子をとってチャック全開で登ってました。
このノースの本気モコモコの下は、Tシャツ1枚です。
1時間20分で夜叉神峠に到着!
このルートは3回目ですが、いつもこんな季節に来ているので、ここが開いているのを見たことがありません。
冬季以外は営業している・・・と思います、多分。
北岳・間ノ岳・農鳥岳トリオと記念撮影。
富士山は雲の中でした。明日は見えるかな。
2人とも12本アイゼンをつけてひたすら登っていきます。
次のチェックポイントの杖立峠に到着。
レポートでは写真2枚ですが、実際は2時間ひたすらエッサエッサ樹林帯の中を登って来ました。
ここで1組みとすれ違いました。
ザックが重いから、ザックを雪に下ろして「先長げーなぁ」って言いながら地図を見ているわたくし。
トレースはありますが、やっぱし冬靴+12アイゼン+テント装備で登ってると疲れます。
けんちゃんも疲れ気味。
そんなケンジに「ほら、けんちゃん!笑って笑って!」
というと、
ナイススマイル!
小屋泊の方は・・・の注意書きが途中にあるので、営業中に来る方は途中で要チェックです。
次の苺平までも遠い! ひたすら登りです。
何回地図を確認しても全然進んでないのはなんでだろうか・・・
まじで登りが無限すぎて「10m歩いたら5秒止まって息を整えよう」っと10m作戦でなんとか登り切りました。
14:05 やっと苺平についたー。
ここまでにさらに3組ほどとすれ違いました。
この苺平ですれ違ったお父さんの話によると、この日薬師岳に行ったのは1組だけだったらしい。
このお父さんは「私は辻山に登って来たらトレースがなくて大変だったよ」とおっしゃっていました。
辻山ってどこだろか。。。
苺平からはほぼ下りです。
南御室小屋は圏外なので、要注意です。
小屋から5分ほど登ったところに行かないと電波がありません。
15時前にやっと南御室小屋(みなみおむろごや)についたーーー!
って、この時には風がかなりビュンビュンで、ちょっと吹雪いて来ました。
日曜ー月曜で来ているので、登りは私たちだけでした。
この中テント張るとか辛い!って思っていると、
冬季避難小屋があると書いてあったので、そこを使わせて頂きました。
中は頑張れば6人くらい眠れそうな広さでした。
風がないだけで本当にヘブン!本当に助かりました。
1人1000円とのことだったので、ありがたくポストにお金を入れて来ました。
今回の極寒対策の秘密兵器はこれ! モンベルの寝袋#0!!!! コンフォート温度が-10度、リミットが-18度という超あったか寝袋です。
あーまじヘブン。。と、とりあえず速攻でミノムシおじさんと化しました。
ちなみに小屋の中の気温は-10度でした。
外は台風並みの風になって来たので、中でビストロをさせてもらいました。
今回のビストロは白菜と豆腐と醤油とだしで白菜鍋にしました。
そして今回の極寒対策の秘密兵器その2がこれ!
このあいだの西吾妻山の時の温泉で買った日本酒を熱燗にしました。
はぁうま。って鼻水たらしながら言っているわたくし。
右側の鍋はグツグツ中の白菜鍋。 最後に白飯とカニカマをぶち込んでおじやにしていただきました。
まじで体が温まりました。
外は相変わらずの強風で「この建物、倒壊しないですよね。。。」とケンジが心配するほどでした。
寒いから5時すぎには寝袋の中に入ってしまいました。
明日はどうしようかなぁ、風がやまなかったら上には行けないなぁ。と考えながらあったか寝袋で就寝。。。。
二日目
5時ごろに目をさましましたが、風は相変わらずゴーゴーと吹いていたので、薬師岳は諦めて下山することにして、7時ごろまで寝ていました。
頑張って薬師岳に登ったとしても、帰り道もトレースないだろうから。
7時ごろに枕元にあった温度計を見たら-13度でした。
コンタクトとか水とか食料とか、凍らせたくないものは全部寝袋に入れて寝ないと、全部が全部凍ります。
ケンジはモンベル寝袋の#1でしたが、それでも中にダウンなどきて寝れば寒くなかったと言っていました。
私は股引と長袖だけで快適に寝ていました。
サイズを比べるとこんな感じ。
でかいし少し重いですが、道中どんなに寒くても「俺にはあの極暖寝袋があるんだ!」って思うと、かなり頑張れました(笑)
このまま帰るのもあれなので、昨日苺平であったお父さんが言っていた「辻山」ってところに行ってみることにしました。地図で見ると眺望が良いと書いてあるし。
外は風と吹雪で、トレースはほぼ消えているので、ワカンを履いてズボズボを突破!
この日はめちゃくちゃいい天気!
南御室小屋、大変お世話になりました!
ちなみにここも営業しているところを見たことがありません(笑)
予想通りトレースが7割ほど埋まっているので、ワカンでズボズボしながら帰ります。
向こうに見える山は金峰山とかそのあたりかな。
二日目はトレースがない分、動物の足跡を多数発見。
この肉球風の足跡はなんだろか。この足跡は10回ほど、うさぎもは5回ほど、鹿は20頭分は見ました。
最後の方は、鹿の群(10頭分ほど?)のトレースを私たちが使って降りました(笑)。
苺平まで戻ってきました。ここに荷物をデポったら、辻山を目指します。
昨日撮った写真がこれ。ここから入っていきます。
お父さんが「通常20分のところ、1時間半もかかったんだよ。」って言っていたこのトレースを使わせてもらいました。
変な方を向いていますが、一応看板もあります。
まだ半分くらいトレースがあったので、楽チンでした。
お父さん、ありがとうございます。
昨日は、辻山?どこですかそれ?へー、ふーん。そうなんですねぇ。ってうっすいリアクションしてすいませんでした(笑)
樹林地の中を黙々と登っていきます。
ちょいちょい赤いテープがあるので、道迷いの心配は少ないと思います。
登りきった先には、
どーーーん!!
って、めちゃくちゃ眺望がいい空間が広がっていました!
お父さんが1時間半かけて作ってくれたトレースのおかげで、我々は30分で到着。
北岳は真っ白!
ケンジのいい感じの写真をゲット!
俺も撮って、とお願いすると、
って、めっっちゃ傾いてるし!!
「か、風が強かったから・・・あははは・・・」って、おい!
しかし事実、風は爆風で、かなりヤバめでした。
登れなかった鳳凰三山も見えます。
こうやってみると、遠っ!!
遠くには八ヶ岳も。
風がやばいので、早々に退却しました。
苺平まで戻ってきて水分補給をしようとしたら、なんとテルモスの中のポカリまでもが凍り出していました。
-10度の世界おそるべし!
一応、ちょっとしたピークと、なかなかの眺望をゲットしたので、満足して帰路につきます。
杖立峠まではトレースの7割が消失してズボズボでした。
ワカンがなかったら大変なことになっていました。ワカン優秀だわぁ、と何度も感謝していました。
この日は富士山もくっきり見えました。雪化粧して最高にかっこいい!
14時ごろ、やっと夜叉神峠に戻ってきたぜー!
この日は一日天気が安定してて、ずっと白峰三山がくっきりと見えていました。
今年も北岳に泊まりで行きたいな。
15時前に駐車場まで無事に戻ってきました。この日は誰とも会いませんでした。
今回は日曜・月曜できましたが、この時期に僕らレベルの一般人がピークまで登るんだったら、人がいる土日の方がやっぱしいいですね。
距離が長いので、帰りのことも考えると、もしピークまで行ってたら結構帰りギリギリだったなぁ、と思いました。
辻山は地味な割に眺望はかなり良かったです。
あの教えてくれた&トレースを作ってくれたお父さんに感謝。
かなり寒かったし山頂に行けなかったけど、満足度は結構高めでした。寒楽しかったです(笑)
久しぶりに本気で辛い山だったので、もちろんこのレポートを書いている今は、下半身はかなり筋肉痛です(笑)
あの爆風の中テントだったら相当しんどかったと思うので、避難小屋にも本当に感謝です。
夜叉神峠、火事場跡、あと何箇所か、もしもの時はテントを張れる所がありましたので、これから行かれる方は安全第一でお願いします!