横岳と北八ッ、マイナールートの旅。
こんにちは、登攀長Iです。
初めての登山は中学生の時に登った天狗岳。
大学生になり登山を始めるきっかけになったのは縞枯山。
私にとって八ヶ岳、特に北八ヶ岳は思い出の地であります。
そんな北八ッ、まだまだ行ったことのない場所も沢山あるので、今回は『池』をテーマにその時の気分次第でルートを決める、そんな山旅を計画しました。
と、早速寄り道です(笑)
八ヶ岳の8つを赤岳・横岳・阿弥陀岳・硫黄岳・権現岳・ 天狗岳・編笠山・西岳とするなら、唯一登っていないのが横岳。ここに行くならツクモグサ(北海道・白馬岳・横岳にしか咲いていない)を見たい!と思っていて、見頃は終わっているようでしたが、わずかな期待を込めてまずは横岳に登りました。
ルートは杣添尾根のピストン。登山口には10台ぐらいの駐車場がありました。金曜日なのでガラガラ。
行動食の紹介。ピュレグミ
が好きなのでいつも持って行きます。今回はスイカ&ソルト味。感想は、思ったより美味しい、です(笑)
休憩ポイントの枯木帯。ルートの大半は樹林帯の登りです。苔の生えた石や木の根が多いので滑らないように注意。
主稜線の三叉峰に向けての最後の登りは開けた尾根道。ガスってなければ赤岳や富士山を眺めながら歩ける気持ちの良さそうな尾根です。
3時間弱で山頂に到着!景色がないので横になってみました。
一瞬、ガスが切れた時に見えた大同心(右)と小同心(左)。本当に一瞬だったので余計に迫力がありました!
稜線は結構強い風が吹いていて、ガスが斜面を駆け上がっていきます。後ろにチラッと赤岳が。
今年は雪解けが早いからか、既に沢山の高山植物が咲いていました。特に多かったのが紫のオヤマノエンドウと白いハクサンイチゲ。他にもウルップソウやコマクサの葉も出てきてました。
1時間ほど稜線上をうろうろしましたが、お目当てのツクモグサは・・・やっぱり時既に遅し…。これはまた来年リベンジです。
下山中ふと前をみると、瑞牆山と金峰山の姿が。こっちの方は天気が良さそうでした。
杣添尾根ルート、基本的には横岳をピストンするだけなのでなかなか候補には上がらないかなと思いますが、危険な場所はないですし、2時間半で南八ヶ岳の主稜線に出れるのは魅力的だなと感じました。
さて、本来の目的に戻ります(笑)
横岳下山後、車で麦草峠へ移動し、今宵のキャンプ地・高見石小屋へ向かいます。麦草峠の駐車場からは1時間ぐらい。
ちなみに15年前、初登山の時この場所で家族と写真を撮りました。15年後、今度は自分の家族と撮るのかな…なんてふと思ったり思わなかったり。
翌朝、高見石から日の出を待ちます。正面に見えるのが白駒池。
雲の後ろから恥ずかしそうに太陽が出てきました。佐久方面の山々が幻想的でした。
高見石小屋は山小屋が有名だし登山口から近いのであまりテントを張ることはないと思いますが、木々に囲まれた落ち着いた雰囲気の中、鳥のさえずりを聞きながらコーヒーを飲む朝の時間がとっても贅沢でした。
朝6時、まずは白駒池へ下ります。太陽が水面に反射して眩しい!今日は快晴の予感。
一旦駐車場へ戻ります。というのも、当初は双子池までテントを背負ってキャンプをしようと思っていたのですが、 なんとなーくもう1泊する気が起きず…。日帰り装備に切り替え荷物を軽くし(←これか?!笑)、再出発です!
昨日の夕方着いた時は10台程度だった駐車場も7時過ぎの時点で満車になっていました。
改めて、池巡り&森林浴スタート!まずは雨池を目指します。
麦草峠から直接雨池へ行くルートはなかなかのマイナーっぷり。快晴の土曜日なのに会ったのは1人だけ。雨池には30分程いましたが貸し切りでした。
ここだけ時間が止まっているような空間。誰も来ないので一人で思いっきりにょっきっき(笑)
次は双子池へ。大石川林道のルートは落石で通行止めになっているので迂回路(私の持っている2012年版の地図では破線ルート)でいきます。最新の地図・情報を確認するようにしてください。このルートも会ったのは1人だけでした。
双子池、名前の通り2つ雄池と雌池があります。雄池は水場になっていて、池の水がそのまま飲めるらしい!緑が本当に綺麗でした。
雌池は湖畔がキャンプ場になっています。大河原峠からは1時間ぐらいのようなので、お手軽テント泊に良さそう。
ここで少し早めのお昼ごはん。さっとパスタを茹でてソースをかけるだけ。それだけなのにフリーズドライより美味しく感じるから不思議。
池がテーマで進んできましたが、ちょっと飽きてきたので(笑)亀甲池には向かわず、岩場ルートの大岳に変更!これが岩好きには結構楽しいルートで、両手を使って登ったりアスレチック感満載でした。ただ、下りたくはないな. ..。
途中、天狗の露地という開けた場所がありました。蓼科山がドーンと見え凄く良い雰囲気!
大岳山頂。右手に持った黄色い標識には、八ヶ岳最北端って書いてありました。
大岳からは北横岳を経由して北横岳ヒュッテへと進みます。この辺りに来てやっと10人以上の人に会いました(笑 )何度か通っているルートなのでサクッと通過。そして前々から気になっていた三ッ岳のルートへ!
こちら側からはⅢ→Ⅱ→Ⅰ峰の順に進みます。基本的には下っていく感じ。写真はⅢ峰で、大きい岩をよじ登っていきます。ルート上鎖場は3箇所ありましたが、岩好きな人なら難なく通過できると思います。苦手な人にはあまりオススメできないルートかなと思います。
Ⅰ峰まで来ると朝通った雨池が見えました。なだらかな斜面の景色につい見惚れてしまいました。
その後一気に下り(途中、雨池山への登り返しあり…)、画になる山小屋・縞枯山荘へ到着。余力があれば縞枯山・茶臼山もと思ってましたが、ヘッロヘロのヘッロヘロだったので、迷わず五辻経由で麦草峠へと戻りました。
今回の山旅、一言で言うならば、八ヶ岳にはまだまだ魅力的な場所が沢山ある!です。マイナールートなので静かな山歩きを楽しむこともできました。一気に歩くにはちょっとハードだけど、部分的に切り取って、また秋に来たいな 。