北アルプスの大天井岳(おてんしょうだけ)にテントを担いで久しぶりにソロで行ってきました。
一ノ沢登山口から入って常念小屋にテント張って、大天井岳と常念岳の両方を登ってしまおう作戦です。
常念岳には過去に2回登っていますが、どちらも三股から登っているので、このルートは初めてでした。
上記はざっくりとしたルートです。詳細な地図は下記の地図のご購入をお願いいたします。
地図:山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地 2016
みんな忙しいらしく、なかなかメンバーと平日で泊まりの予定を組むのは難しいので、晴れた平日があったら一人で勝手に行っちゃおうと決めていたので、前日の天気予報をみて急遽決めてきました。
天気予報通りいい天気。一ノ沢登山口の駐車場に7時過ぎ到着。
平日木曜日なのに、そこそこ車が止まっていました。駐車代は無料です。
7:20 いざ出発!
一ノ沢の駐車場の場所をgoogle MAPで確認する
ただ駐車場から登山口までアスファルトの道を20分ほど歩きます。結構遠い。
やっと登山口に到着。トイレも登山届のポストもここにあります。登山届は必ず提出してから入山してください。
常念小屋までは5.7km、1200mほど登ります。
テントを担いでちゃんとした山に登るのは去年の秋の北岳ぶり。
前回の尾瀬はほんとふざけた装備で行きましたが、今回は一人&北アルプスなので、前回の5倍マジメに荷造りしてきました(笑)
荷物は重いし先は長いので慎重に行きます。今回は60+20Lのどでかザックで来ました。
すぐに神社あり!
大天井岳は2013年の5月に中房温泉から燕山荘経由で登ろうとして、滑落しかけた山です。
なのでちゃんと安全登山のお願いをしました。
最初は沢沿いの森を登って行きます。遠くに目的地らしき稜線が見える。
樹林帯の中で暑いので、半袖短パンで登りました。
しばらく行くと視界がひらけて、残雪ゾーンに。
まだルートがそこまで整備されていなくて、木々の間を強引に切り開いて進みました。
旗かリボンが等間隔であるので、それを見失わなければ迷うことはありません。
雪渓の下を勢いよく水が流れていて、ところどころ穴が空いていました。
暖かいので、いつ地面が崩れるかわからず、怖かったです。
後半は雪渓登り。そこそこ長い。
今回はチェーンスパイクしか持っていなかったので、チェーンスパイクを装着して進みました。
途中で夏道が出ていたので、こっちに進みました。
名前はわからないけど、色々な花が咲いていました。
山小屋の人が道を整備してくれていました。本当にありがたい。
帰りに見たら、めっちゃ綺麗な道になっていました。
最終水場。これより先水場はないようなので、持ってきたプラティパスに水を入れて行きました。お、重い...
ここまでは結構いいペースで来たんですが、ここからの最後の登りが辛くて、まだかまだかと何度も地図を確認していました(笑)
そしてここに来て、この日一番のズボズボゾーン!
疲れているのに、何度も踏み抜いて本当に腹が立ちました!
この日すれ違った人は5人くらいでしたが、ここでまさかの「あ!きっちょむ探検隊ですか!」とおじさんに声をかけてもらいました。「いや、探検はしていないので、探検隊ではなく登山隊です」と訂正しつつも、「景色最高ですよ!あと少しだから頑張ってください」とパワーをいただきました、ありがとうございます!そのいただいたパワーでラストスパート!(亀くらいのペースですが笑)
(注:きっちょむ探検隊、と、きむっちょ登山隊、は間違われる二大巨頭です。きっちょむ登山隊です。そこんところ、よろしくお願いいたします)
カメがノシノシと歩いてくるとやっと稜線に出たっぽい雰囲気になりました。
槍ヶ岳キターーーーーー!!!マジで疲れました。足攣るかと思いました(笑)
常念乗越(のりこし)だと思っていたんですが、「じょうねんのっこし」らしいです。
槍ヶ岳が最高だー!
常念小屋でテントの手続きをしました。
一泊1000円。水は2L200円(?)で買えると言っていました。
さっき水場で汲んで来ちゃったから買いませんでしたが。
テントは私だけっぽかったので、やっぱし一番槍ヶ岳がよく見える一番前に張りました。眺望最高!
さらにドコモの電波塔がここにあるので、ここは町と変わらないレベルでスマホが使えます!
ソフトバンクとauの電波事情は知りません(笑)
ただトイレは「おぉ!」って感じでした。綺麗なトイレが好きな方や女性は小屋泊の方がいいのかも。。。
槍ヶ岳を見るために、全く風向きなんて関係なく、思いっきり入り口を風上に向けてやりました!
でも一応念のために飛ばされないよう大きな石をテント内に置いておきました(笑)
気温は22℃。風がなければポカポカです。
温度計があるとやっぱり便利です。
軽くお昼ご飯を食べたら気合を入れて大天井岳を目指します。コースタイムで3時間40分。
事故りそうになった山に4年越しの再チャレンジ!あの先に大天井岳が!
にしても本当に天気最高!本当に梅雨なのか?と心配になります。
登りだしはズボズボ。
常念小屋と明日登るつもりの常念岳。写真だとわかりづらいけど、思いっきりハードな登り。。。。ルートを見てるだけで疲れちゃいます。。
まだまだ余裕なので、鳥になってみました。きっもちいいいいいいい!!!
アタックザックに必要なものだけ詰めて来ました。
さっき常念小屋で会って話をしたお母さんが、「大天井岳へと続く道はサイクリングロードよ!本当になだらかで気持ちいいの!」と言っていましたが、確かになだらで気持ちいい道です。
ただ、大天井岳が遠い(笑) あの中央のぽこっとなってる向こうだと思います。
向こうに見える涸沢カールをズーム。
今年は奥穂高岳も行く予定です!
低木の道。気持ちがいいんだけど、ジリジリとアップダウンを繰り返すのが辛い(笑)
常念小屋のスタッフの方に、大天井岳までの道はどうですか?チェーンスパイクでいけますか?と聞いたら、一箇所雪渓をトラバースするのが大変かも。って教えてもらったのがここ!
12アイゼンやピッケルがあったら余裕だったけど、チェーンスパイクだったので、マジで怖かったです。さすが大天井岳、毎回試練を与えて来ます。
足を滑らせると大変なので、秘密兵器カメラの三脚をストック代わりに、一歩一歩靴でステップをきって、慎重に進みました。あー、怖かった。
難所を抜けたら山頂はすぐそこ!
遠くに燕山荘と燕岳も見えて来ました。
気がつけばちょっとずつ雲が出て来ました。天気よ持ってくれ!
あの中央の雪渓その2を越えると・・・
大天荘(だいてんそう)と大天井岳の山頂がやっと見えた!あー、マジで遠かった。最初の頃、鳥になっていた余裕はもはやなし(笑)
大天荘はまだやっていないか戸を締め切って物音一つしていませんでした。。。念願の大天井岳の手ぬぐいを買いたかったのに。。。(帰って来てネットで調べたら7/1〜のようです。大天荘HP)
大天荘の横を抜けていざ山頂へ!天気もなんとか持ちこたえてくれています。
つつつつついに見えたーーーーーーー!!!
2013年に死にかけたあの大天井岳についに登れました!(ルートは違うけど笑)
とてもとても感慨深いものがありました。
なんという絶景!!はぁ嬉しいなぁ。
と、余韻に浸ってばかりいられません。
天気も怪しい&あの恐ろしい雪渓トラバースもあるのに、中央あの常念岳の下まで戻らなければなりません。遠っっっ!
日は長いし雨具もアタックザックに入れて来たので、焦らず無理せず慎重に戻るぞ!っと自分に言い聞かせました。
雪渓トラバースは12アイゼンだったら2,3分でいけるだろうけど、慎重に10分くらいかけて、ステップを切って三脚も駆使して戻りました。ここ数年で一番集中した10分間でした。
大天井岳から2時間かけて、やって常念小屋に戻って来ました。常念小屋が見えた時はホッとしました。雨にも降られずにすみました。
疲れか寝不足か、あんまり食欲なかったけどメスティンでお米を炊いて、無理してご飯を食べました。
昨日作って持って来たきゅうりの浅漬けは、疲れていてもパクパク食べれました。塩分補給にこれからの季節に特にオススメです。
夕方寒くなって来たなぁ、と思って温度計を見ると7℃でした。
星空の写真を撮ろうと何度かテントから顔を出したんですが、曇ってて星はちょっとしか見えずだったので写真は撮れずでした。
ここは風の通り道らしく、夜中も風がビュンビュン吹いて、テントもかなり激しく揺らされました。
二日目
携帯の目覚ましを4時にセットしておいたのですが、野生の勘でか3時55分に目が覚めました。温度計を見ると0℃でした。
のしのしと外に出ると夜明け直前。
槍ヶ岳の方には雲がまだ残っています。
日の出が近い。この日の常念小屋の宿泊者は2組3人だったっぽく、4人でゆったりと朝日を待ちました。
4:28 地平線の雲の中に太陽登場!
雲が猛烈に燃えて来て、太陽完全に登場!
穂高岳の方はまぁまぁ朝焼けしました。ただ槍ヶ岳は隠れたまま。。。無念です。
朝日を見たら、昨日よく歩いたしここから常念岳への登り大変そうだし、常念岳は登らなくていいかなぁ。と思っていたんですが、テントから外を見ると槍ヶ岳がくっきり。。。
このまま帰るのも勿体無いので、しゃーない、常念岳登るか。
写真だと伝わりませんが、結構気が重くなる登り。。。
そして風がビュンビュン!
風速計を忘れてしまいましたが、10mちょいくらいの風でした。突風が吹くと体を持って行かれます。
強風が槍ヶ岳にあたり雲ができています。かっこよろしい!
振り向くと大天井岳。中央のあのポコっとしてるのが山頂かな。我ながらよくあそこまで行ったな。。
常念小屋から常念岳の山頂まではひたすら石&岩ルートです。
槍ヶ岳とわたくし。
三股ルートとの合流地点まで登って来ました。小屋からここまで45分かかりました。
分岐から常念岳の山頂までは10分ほど。祠が見えたぞ!
振り向くと松本との街とその向こうの山々。こういう朝の薄いもやっぽい感じも大好きです。
常念小屋から1時間ほどで常念岳の山頂に到着!
この日一番乗りかな。だーれもいませんでした。
本当に天気が良くて気持ちがよかったです。
槍ヶ岳を初めて見たのが2012年の常念岳でした。その時を思い出し、同じような写真をパシャ。
あの時の写真を見ると、頭にタオルを巻いて全身(靴も含む)で1万円くらいの格好で登っています(笑) 我ながらひどい
ズームで寄って見ると槍ヶ岳の下に槍ヶ岳山荘が見えます。あそこも今年行きます!
常念岳の山頂で20分ほど一人でのんびり。テン場に戻って撤収したら、最後に記念の一枚。
そのままテケテケと一ノ沢まで下山しました。
梅雨とは思えないほどの天気で、本当に最高でした。
個人的にはかなり思い入れのある大天井岳に登れて、本当によかったです。
登山を始めてから160回くらい山に登って来ましたが、事故りそうになったのは前回の大天井岳その1回だけ。これからもずっとその1回だけで行けるように今まで以上に安全第一で山に来たいな、と思いました。
(あの頃はイケイケのアホでした。今あの頃の俺みたいな奴が隊にいたらぶん殴っています。。。イケイケのアホは事故の元なので、安全第一でお願いします。)
あと、一人だと被写体がいなくて物足りないので、やっぱしみんなと来たいですね。